この本は、約20年にわたってメカニカルシステムの開発をしている、アート・コリンズさんが書きました。
マーケットの魔術師と同じく、トレードの世界での成功者たちへのインタビュー集ですが、マーケット魔術師と異なるのは、対象がすべてシステムトレーダーだという点です。ラリー・ウィリアムズも入っています。
インタビューの中で、システムのロジックのポイント、ドローダウンの見積もり方や、必要サンプル数など、システム開発に必要なヒントがちりばめられています。
読むたびにヒントが得られる本ですね。
≪前回読んだときの記事≫
http://salarymanfpfx.seesaa.net/article/120930581.html書名 :マーケットの魔術師 システムトレーダー編
著者 :アート・コリンズ
出版社 :パンローリング
読む目的:システム運用のヒントを得る。
ページ数:290
所要期間:7日
『心に響いた言葉/文面は本文より引用・編集』
・きちんと動くと自分が知っているもの−安心して使えるもの−を見つけるべきだ、ということなのです。それができれば十分です。
・最近の価格変動とのつながりが一番大事だが、それでも、ある傾向の持続期間をできるだけさかのぼって確認したい
・日中のデータには、一日を超えるデータにはない現象が見られます。例えば日足や週足のチャートでは、バーが5本連続して上昇することはまずありません。ところが、日中足の場合にはごくありふれた現象なんです。
・三種類の移動平均線には絶対に逆らわないというルールを適用したときに、私は(トレードによってずっと利益を上げ続けることが)できると考え始めるようになったのです。
・長期的に変動が続く可能性が十分にあって、それに確信がもてたら、その方向にそって短期的なトレードをすることを考えます。
・ドローダウンが仮想的な検証の示す値の倍になったら、何か間違いを犯したのではないかと心配し始めます。
・前の日のことを繰り返してみたらどうだろう。
・過去の事例によれば、大半のケースで「現在」が未来を作りだしていきます。
・短期的にはチャートは感情を反映します。
・ストップの幅は大きくとります。近いところにストップを置くと、引っかかる回数がそれだけ増えますから。
・相場でも私の人生でも、物事は理由があって起きるのです。だから理論が必要なんです。
・すべての市場に当てはまるようにしたいのですが、各市場に独自の特徴もあるのです。
・要するに、低ボラティリティのちゃぶつきのリスクと、高ボラティリティのトレンド末期のリスクという、二種類のタイプのリスクがあるわけです。
・私の意見では、システムが利益を出せるかどうかの95%は仕掛けで決まります。
・私は膨大な時間をトレーディングに注いできました。他人の本を読んだだけでは有能なトレーダーにはなれません。
・買われ過ぎ・売られ過ぎの状態になったとき、6日立つ前に終値で見て価格がその極端な領域から戻ったとすれば、相場が反転します。
・もともとダメなものは、過去に戻ってもダメだし、現在もダメなのです。
・トレンドフォローが通貨でうまくいくのは、国際資本の流れが生じるには長い時間が必要で、そこから長期トレンドが形成されるからだろうね。
・実は、パラメータを検証しなかったせいで、でたらめにパラメータを固定してしまっているのです。
・その戦略に固有のリターンをもたらすと考えられるコンセプトはまだ有効か。もし有効なら持続すべきです。
・両極端まで行けば、まず間違いなくボラティリティが高くなりますし、有効性の高い「安値を買って高値を売る」という行動パターンがとれるのです。
・過去の恐怖を乗り越えられるかどうかなんです。
・これが自分にできる最高のことなんだ。過去を見れば、現実的にも理論的にも損をした例は山ほどある。だから損は避けられない。でも、リスクマネジメントをすれば、けっしてそれで破滅することはない。
・一定のリトレースメント(押しや戻り)の領域にあることも、きちんと確かめなければなりません。
・バーから、需要と供給、恐怖と欲望が読み取れます。
・相場で生き延びられるのは、ビジネスとしてトレードする人たちです。しっかり研究して原理を理解したうえで、一定のトレード法を使う人たちです。
・前日の終値が10日間の平均の値幅における中間点を超えているかどうか。
・本当に儲けられる人は、群衆が不安を感じるようなときに行動を起こします。
・システムトレーダーになりたかったら、お金をドブに捨てるように思えても、(シグナルに基づいて)チャンスに賭けなければなりません。リスクにひるむようでは、見込みがないですね。
・聖杯などないと悟ることです。
・うまくいく根拠を理解して、それを出発点にして構築を始める。
・私は、古典的な工学的アプローチはやはり避けて、相場で有効だと分かった手法を組み合わせてみました。
・自分が気づいていなかった予想外の相場条件にぶつかったときには、システムの再最適化を考えてもいいと思います。
・相場をとらえるとき、完全に客観的にやる方法が不用で、人間のパターン認識能力が必要になるようなケースでは、裁量トレードも(許されます)。また、大事件による外れ値に対処するケースでも有効です。
・有効な方法はたくさんあるわけですが、それを発見するためには、人間心理と統計学と経済を理解することが必要になります。
・資金を投入する前に、トレードのあらゆる面について徹底的な分析を行う。
・データをもとにしてシステムを開発しているとしたら、むしろ、そっちの方が問題です。仮説をもとにするのであれば、そんなに危険なことはありません。
・肝心なのは、最適化の手順を注意深く実行することと、前提となるドライバーを出発点にさかのぼって理解することである。
・トレードはビジネスである。しっかりしたビジネス計画を練り上げるべきである。
・データ上、良い検証結果の周辺で同じように良い結果が出ていることを確認すること。
・従来からある需給中心の市場(特に通貨市場)ではモメンタムの考え方がよく当てはまる。
・多すぎるルール、少なすぎるデータ、良すぎる結果には警戒しなくてはならない。
・ドローダウン時期とは、以前の最高額の時点から、最終的にその最高額が回復した時点までの期間である。